第14章 恋心
それを聞いたクラスメイトからは、ヒソヒソと安堵の声が相次いでいた。
『よかった〜』
『勝てる気しないもんな~影山には』
『ハイスペックすぎるもんなー影山』
「ぃ、いやっ、」
見当違いなことを広まってしまった私は、次の言葉を必死に探していた。
間違ったことを広められるくらいなら、正直に話してしまおうか。
一生懸命仁花が肯定してくれたこの想いを、こんな間違った形で広められるなんて、影山くんにも仁花にも失礼だ。
もう、私の片想いだとみんなに伝えよう。
そう考えた私は、決死の思いで声を発した。
「あのっ」
すると一際大きな声でクラスメイトは言葉を発した。
『いや〜、井出さんの好きな人が影山じゃないなんて意外だったな〜!』
ガタッ
その声とほぼ同時に扉の方から扉を開く音が鳴った。
『あっ…』
扉の方を見たクラスメイトは、気まずそうに声にならない声を発していた。
まさか。
嫌な予感を巡らせながら扉を見ると、そこには
「影山くん、」
「………」
切れ長の目を丸くして、ただ呆然と立ち止まっている影山くんがいた。