第12章 先輩
トボトボと歩いていると、後ろからも足音が続いているのが聞こえた。
「……なんでお前まで着いてくるわけ?」
「家こっちなんで」
「あっそ」
な、なんて素っ気ない返事。
影山くんに会ってから、及川先輩の機嫌が悪いような気がする。
それに比べて影山くんは、相変わらずの天然を発揮している。
無自覚で煽っているんだろうな。
あ、きっとそのせいで及川先輩もイライラしているのか。
しばらく沈黙が続き、そろそろ自宅へ着こうとした時。
影山くんが口を開いた。
「そういえば、なんでさんはバレー部入っちゃいけないんですか」
「…え?」
なんのことだろう。と頭の中を巡らせていると、私が思い浮かぶより先に影山くんが言った。
「さっき及川さんに言われてただろ」
「……あぁ!」
そうだ。影山くんに会う少し前に及川先輩に言われたなぁ。
特別バレー部に入りたかった訳でもなかったが、たしかに理由が知りたくなった。
「なんでですか」
影山くんは及川先輩の方をジッと見て言った。
及川先輩は機嫌が悪そうに口を開いた。
「なんでそんなこと聞くわけ?」
「……」
影山くんはいつものように口を尖らせ、何か考えるように黙り込んだ。
影山くんが黙っている間に私達は曲がり角に着いた。
「あ、あの、私ここ右です」
「オッケ〜」
「俺左なんで、失礼します」
もうバイバイか。そうションボリしながら私は影山くんに向かって手を振った。
「影山くん、また明日ねっ!」
「おう」