第12章 先輩
それから私達は、今日見た試合の感想やバレーのルールなど、バレーの話ばかりして帰った。最初は警戒心MAXだった私も、だんだんと警戒心も解け、後半には笑い合いながら会話を楽しむことが出来ていた。
公園の近くを抜け、電柱の明かりの元を通ろうとした時、及川先輩は私の方を見て言った。
「ちゃん、髪の毛に葉っぱついてるよ〜〜」
「えっ!!」
「はいはい落ち着いて〜、及川さんがとってあげるからねっ」
ど、どこだ!!と慌てている私を見て、及川先輩はスムーズに髪に付いた葉を取ってくれた。
「あ、ありがとうございます…」
こんな少女漫画のワンシーンのような出来事本当にあるんだ。と、ドキドキしながらも、
できることなら相手は影山くんが良かったな。
なんて相当失礼なことを思っていた。
「そういえばさ、ちゃん烏野高校なんでしょ?」
何事も無かったかのように言う及川先輩にそうです、と答えると彼は笑顔で言った。
「男子バレー部のマネージャーは絶対やらないでね」
「え?」
何故なのか聞き返そうとしたが、聞き返すことは出来なかった。
何故なら、及川先輩の笑みの奥から深い闇を感じたからだ。
私が沈黙している間に、及川先輩はいつものように爽やかな笑顔に変わっていた。
その時、烏野高校がある方向から私を呼ぶ声がした。
「…さん??」
暗闇で姿ははっきり見えなかったが、一声で誰かわかった。
「えっ、か、影山くんっ?!」