第12章 先輩
校門の近くに着くと、遠くに人が立っているのが見えた。
「あ!いた〜!」
「あの人が彼氏さん?」
「そうだよ〜!、今日は本当にありがとね!
でも私の事情で振り回しちゃってごめんね」
そう眉を落として言う友人に、
「全然!色んな話も聞けたし楽しかったよー!」
と伝えると、友人は嬉しそうな顔をして「今度は一日遊ぼうねー!」と言いながら彼氏さんの方へ走っていった。
彼氏さんのことになるとすごく幸せそうな顔するなぁ。
そんなこと思いながら後ろ姿を見送った。
好きな人と付き合えるということはあんなに幸せなことなんだなあと思いながら、私は1人で帰ろうとした。
すると
「おーーいっ!」
声のする方へ振り向くと、体育館の方から背の高い男の人が走ってくるのが見えた。
「えっ、え?私??」
「そうだよ〜!!」
顔をよく見ると、さっきまで黄色い歓声を浴びていた及川先輩だった。
「え?なんで?って顔してるね!」
あははと笑いながら及川先輩は言った。
そりゃそうじゃ!!なんて頭の中でつっこみながら私は答えた。
「ど、どうしたんですか?」
「さっきバレー部の応援来てたでしょ?」
「い、行きました…」
「名前なんて言うのー?」
「え、あ、です」
「ちゃんか〜!可愛いね〜!」
「え、え?おお恐れ多いですっ」
本当に何の要件なんだろう。
そう思いながらも完全に彼のペースに呑まれていた。