第10章 女子トーク
昨日までの私ならこんな奇声を発しなかっただろう。
しかし、来ないと諦めていた今、彼からのメールは驚き以外の何物でもなかったのだ。
「ど、どどどどうしよう仁花、」
「とととととにかくへん、へ、返事しよ!!!」
「ななななななんて言おう!!!」
私達があたふたしていると、いつの間に帰ってきていた仁花のお母さんが鬼の形相で部屋に入ってきた。
「うるさいわよっ!!!!」
「「ご、ごめんなさい」」
何時だと思ってるのよ、と、仁花のお母さんからの説教が始まった。
しかし、今はそれどころではない。影山くんからメールが来るなんて夢のようだ。
するともう一度携帯が光った。
[新着メール 1件]
目の前で仁花のお母さんは説教をしていたが、私はこっそり携帯を見た。
[す。]
「す???」
思わず声に出してしまった。
仁花のお母さんはギロリとこちらを見たが、ヒューヒューと、下手くそな口笛を吹いてごまかした。
しかし、何故[す。]だけ??自分の記憶を辿って考えた。
そういえば影山くんからのメールは、[こんばんは。影山飛雄で]で終わっていたような…。
まさかその続きを数分経った今送ってきたってこと…?
嬉しいという気持ちの半面、影山くんの不器用さに笑いが込み上げてきた。