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一目惚れ【影山飛雄】

第8章 教えて


連絡先を聞くタイミングをずっと伺っていたが、いつも通り影山くんは、食べるか寝るかの1日だった。

LHRでは、席替えのためのくじびきが行われた。
影山くんはどこの席だったんだろう。そんなことを思いながら、くじを引いた。
私の席は誰もが羨ましがる窓側の1番後ろだった。

自分の席に戻ると、影山くんは隣で自分のくじを見つめていた。

『どこの席〜?』
『やったー隣だよー!』
『うわーまじか1番前だ、、』

教室はとてもガヤガヤしていた。

聞くなら今しかない、そう覚悟を決めた。

「影山くん」そう呼ぼうとして口を開いたその時。


「井出さん」


私の声掛けよりも先に影山くんは私のことを呼んだ。

「うぇっ?!
な、なんでしょう?!」

なーにが「うぇっ?!」だ。こんなにも可愛くない返答があるか。ばか。

そんなことお構い無しに影山くんは会話を続けた。

「井出さんは席どこになったんスか」

「えっ?えっと、窓側の1番後ろ、だよ!」

「そうか」

「か、影山くんは…?」

「窓側の後ろから2番目だ」

「えっ!じ、じゃあまた近くだねっ!!」

まさか、また近くになるなんて。
今日の占いは絶対に1位だ。
浮かれた私は頭の中でスキップをした。

「おう、よろしくな」

いつも気難しい顔をしている影山くんの頬が緩んでいるような気がした。

(も、もしかして影山くんも喜んでくれてたり、、
んなわけあるかーーーーい!ばか!自惚れるな!!ばか!!!)
スキップしたり逆立ちしたり、忙しい脳内だった。
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