• テキストサイズ

一目惚れ【影山飛雄】

第24章 伝える


学校前の坂を登りきった頃。校舎は既に夕暮れ色に染まっていた。
自転車を駐輪場に停め、駆け足で体育館へと向かう。

体育館からは、キュッキュッと私の心を高鳴らせる音がする。

「こ、こんにちは!遅くなってすみません、」

そう言って体育館へ入ると、パッと顔を明るくさせた仁花が駆け寄ってきた。

「っ!!おかえりー!!」

安心したような顔でそういう仁花に「ただいまっ!」と返すと、仁花は少し心配気な表情をして問うた。

「ど、どうだった…?」

私はニッと仁花に向けて笑顔を見せる。

「全部配り終えました!ポスターも大好評!!」

ピースを作ってそう言うと、仁花は拳を掲げて飛び跳ねた。

「や、やった!やったぁー!!!ありがとうーっ!!」

「こちらこそだよーっ!!仁花の素敵なポスターのおかげ!!」

手を握ってわーいわーいと飛び跳ねる私達は、
今この学校で1番輝いているに違いない。

すると横から太陽のように眩しい声が聞こえてきた。

「さーん!おかえりー!!」

「日向くん!自転車ありがとう!」

私は日向くんの手をとり、手のひらに自転車の鍵を置いた。

「すっごく助かったよ!」

ありがとう、と手を握って言うと、みるみる日向くんは顔を赤くしていく。

「は、ハひ!いいえ!!!!」

日向くんはそう言ってビシッと敬礼をした。

「日向なに敬礼してんだよ〜」

そう言ってケラケラと笑う菅原さんの後を追うように、自主練をしていた先輩たちがわらわらとこちらへ来た。

「なんだなんだー?」
「まーた日向がおかしくなってる…」
「さん、おーっす!!」

「み、皆さん!お疲れ様です!」

「さんもお疲れ。
俺達のために色々動いてくれてたんだろ?」

そう言って澤村さんは優しく笑う。

「い、いえ!どうしてそれを…?」

「先生がこっそり教えてくれたんだよ。
ありがとな。」

もちろん、谷地さんも。と言って澤村さんは笑った。
/ 190ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp