第23章 私は
外に出ると、菅原さんがウシワカ?という人が世界ユースに入ったという話をしていた。
ウシワカ…?ユース……?と頭にハテナを浮かべたが、
月島くんは19歳以下の日本代表のことだと言っているのが聞こえた。
(日本代表……、す、すごい……)
ポーっと感心していると、日向くんは仁花に「お母さんに言われたこと気にしてるの?」と言い当てているのが聞こえた。
仁花がオドオドと答えると、日向くんは「じゃあさ、言えば?」なんて言い出した。
「えっ」
「……え?」
思わず私まで声を出すと、日向くんは、私の方も見て「今日、谷地さんのお母さんにマネージャーやるって言いに行こう!」とにこにこして言っている。
「えっえっ?ひ、仁花のお母さん今日お仕事じゃない?!」
私がそう言うと、日向くんは仁花を質問攻めする。
「そうなの?会社どこらへん?何時から?」
「え、駅の方……」
仁花がそう答えると、日向くんは自信あり気に
「走れば間に合うよ!」
と仁花を連れて走り出した。
「え!?仁花!?」
そう名前を呼ぶと、日向くんは「明日はさんだからねーー!!」なんて言ってそのまま仁花を連れ去ってしまった。
「…………行っちゃった」
ぽつんと取り残された私を見て、月島くんが隣に来て言った。
「明日はさんだってよ」
「えっ」
怯えた顔をしていると、先輩方がやってきて、田中さんが「どうした?お前ら」と声をかけてくれた。
仁花が日向くんに連れ去られたことを話すと、「あいつはやると決めたら止まんねーとこあるからなー」と言う。その言葉に、縁下さんに「お前が言うか」なんて言われていたが、今はそれどころではない。
「ひ、仁花、そんなに体力ないんですけど大丈夫でしょうか……」
「ははっ、流石に日向もそれくらい考えられるから大丈夫だよ」
不安になる私を見て澤村さんは声をかけてくれた。
澤村さんの言葉にホッとしたが、「それにしてもすごい速さだったケド」なんて呟く月島くんの言葉に、さらに青ざめる。
そんな私を見て、菅原さんは「月島、あんまりからかっちゃだめだぞ〜」と言う。月島くんは「だって顔がコロコロ変わって面白いんですもん」と。
澤村さんは「ほらほら!とにかく帰るぞ!」と、話を変え、みんなで歩き出した。