第23章 私は
今日の練習は外の明るいうちに終わり、私と仁花はいつもより早く更衣室で着替えをしていた。
「、マネージャーやる?」
着替えながらそう仁花は問うた。
「うーん、やりたいんだけどちょっと色々あって…
仁花は?」
「…私は、お母さんに『中途半端な人がやったら迷惑になる』って言われてからなかなか決めきれなくて、、」
そう言って仁花は眉を下げた。
仁花のお母さんのことだから、きっと強くなってほしくてそう言っているのだろう。けれどそれが今仁花の足枷になっているようだ。
「じ、実は部活前に日向に少し相談したんだけどね」
「そうなんだ!なんて言われたの??」
「『じゃあやればいいじゃん!』って言われた」
そう言ってハハハ、と笑う仁花。
日向くん、真っ直ぐに生きてるからな……なんて私も苦笑いをする。
「……でもさ、マネージャーやりたいんでしょう?」
「う、うん…」
「仁花の気持ち、大切にしなきゃ!」
「私の気持ち……」
この言葉は、清水さんの受け売りだ。
仁花にはこんなことを伝えたけれど、
私は自分の気持ちを大切にできているだろうか。
自分で言っておきながら、なんだか腑に落ちないでいた。
その時、ちょうど清水さんが更衣室へ来て、「そろそろ完全下校の時間になるよ」と伝えてくれた。
慌てて返事を返した私達は、急いで着替えを済ませ外へ出たのだった。