第23章 私は
翌日も翌々日も、仮入部としてマネージャーを体験させてもらった。
何故か何度もボールがぶつかりそうになったが、「ボールちゃんと見とけ」という影山くんからのアドバイス(?)の通り行動したおかげで、1度もボールがぶつかることはなかった。
「それにしてもさんはボールに好かれてるのかなんなのか…」
翌々日の部活後、澤村さんはそう言って苦笑いをした。
「なんでこんなに勢いよくボールが飛んでくるんでしょう……」
私がそう答えると、田中さんと西谷さんは真剣な面持ちで言った。
「きっとボールにも愛されているんだぜ…」
「間違いねえ、やはり彼女は天使……」
そんな二人を見て東峰さんは「また2人がなんか言ってるなぁ」なんて暖かい目を向けていた。
「……それにしても、あの2人は無事着いたのか?」
「ん?あぁ、谷地さんと日向なぁ〜…」
「ま、まぁ大丈夫だろ」
澤村さんの一言で菅原さんと東峰さんは苦笑いをする。
そう、実は数分前。
仁花は日向くんに連れ去られてしまったのだ。
事の発端。
時は部活前に遡る____________
部活前。
女子更衣室では、仁花が入部届けを見て悩む姿に、清水さんは聖母のような、先輩らしき美しき姿で声をかけていた。
清水さんは、
「何かを始めるのに大切なことは、チョコっとの好奇心」だと言う。
なんて素敵なお言葉……!と心を震わせながらも、
「自分の気持ち、大切にね」
という清水さんの言葉がよみがえった。
「…自分の、気持ち。」
私は思わず呟いたが、その声は2人には聞こえなかったようだ。
「着替え終わった?それじゃあ体育館行こうか」
清水さんの言葉に「はい!」と返事をした私達は、体育館へと向かった。