第23章 私は
試合が始まり、清水さんと仁花は得点板。
私は、清水さんの隣で見学をしている。
「す、すごい……」
練習中や大会など、何度か試合の様子を見ることはあったが、
フルメンバーをこんなにも近くで見たことは初めてだ。
「ちゃん、ボーっとしてたらまたボール当たっちゃうよ」
そう言って笑う清水さん。
ボールなんかより、あなたの美しさの方が私は恐いです。
とは言え、ちゃんと避けろと影山くんにも言われているし。
ボールをよく見て、見て、見て……
「ヒッッッ」
顔面の横をボールが通過し、ダンッという鈍い音が壁から聞こえる。
「せ、セーフ……」
青ざめながらそういう私に、清水さんは「よく避けたね……」と驚く。
「よ、よく見てたので!」
なんて言って私はビシッとかしこまる。
そんな姿に部員は「す、すげぇ……」と若干引きながら驚く。
少し目を開きながらこちらを見る影山くんには、グッと親指を立てた。
_________________
ピッピーーー
練習試合は烏野高校の勝利で終わった。
『『『アッシター!!』』』
その掛け声とともに選手たちは片付けを始める。
私も片付けを進めようと、相手校側のパイプ椅子を預かりに向かった。
「椅子もらいます!」
『あざす!烏野のマネージャーさんですか?』
「は、はい。まだ仮なんですけど…」
そう言って頬を掻きながら笑うと、相手校の部員さんはニコッと笑って言った。
『向いていると思います!ボール避けるのもすごかったっす!』
「え、ち、ちょっとバカにしてます!?」
頬をふくらませながらそう言うと、部員さんはケラケラと笑っている。
「と、とにかく!椅子持っていきますね!」
そう言って6個ほどまとめて椅子を持とうとした。
が、
「んぐ、ん"っ?」
お、重くて持てないかもしれない。
自分の非力さを憎みながら、フラフラと歩き出す。
『いくつか持ちますよ』
そう言って、持っていた椅子をいくつかひょいっと取ってくれた。
「あ、いや、大丈夫です!」
『いいからいいから』
「で、でも……」
相手はお客さんだ。烏野高校の片付けまで手伝わせる訳にはいかない。
そう思いなかなか引き下がることも出来ずに困っていると、
「ウチのマネージャーになんか用ですか」
と、後ろから声がした。