第22章 気持ち
結局影山くんはそのまま荷物を持ってくれた。
受け取ろうとしても、いいから冷やせ、と受け取らせてくれなかった。
そんな優しさに甘え、私は月島くんにもらった氷嚢で頭を冷やしながら歩く。
校門を出た頃。
……なんとなく気が付いてはいたが、どうやら2人は馬が合わないらしい。
校門を出るまで2人は全く話さず、両隣からバチバチとした空気が伝わってきていた。
この空気がいたたまれなくなった私は、2人に話しかけることにした。
「そ、そういえば山口くんは一緒じゃないんだね!」
「山口はサーブ練するらしいから先に帰ってもらった」
「そうなんだ!」
「「「……」」」
「ふ、2人はいつからバレーやってるの?」
「小学生」
「小二」
「そ、そうなんだ!すごいね!」
「「「……」」」
た、助けてくれぇ〜〜!!!!!!
どんなに会話を作っても、誰も広げられる人がいない。
そもそも2人は話す気もあまりないのだろう。
全く広がらない会話に心が折れ、私は話すのを諦めた。
黙々と帰り道を歩いていると、ついに月島くんが言葉を発した。
「さんはマネージャーやるわけ?」
「えっ!?あ、えーっと……」
「やりたくない理由でもあるの?」
「う、うーん、やりたくない理由っていうか……その……」
「何」
「やっちゃいけない理由…っていうか……」
私がそう答えると、月島くんはふーん、とつまらなそうに答えた。
「……でもその割に楽しそうじゃん」
「え?」
「やっちゃいけないって言う割には楽しそうにやってんじゃん」
「そんなに私の事見てるの……?」
「別に。視界に入ってくるだけ。」
「ふふ、なにそれっ」
少し顔を赤らめてそう言う月島くんを見て笑っていると、影山くんは口をとがらせる。
そんな帰り道を歩いた。
「あ、私ここ曲がったところのバス停だよ!」
「はーい。それじゃ。」
「じゃあな。」
そう言って月島くんはヘッドホンに手をかけ、
影山くんは荷物を渡してくれた。
「うん!……あ、まって!」
「何?」
「月島くん、影山くん、心配してくれてありがとう!」
そう言ってふにゃりと笑って見せた。
2人は少し顔を赤らめ、月島くんは「別に心配なんてしてないケド」なんて言っていた。