第22章 気持ち
影山くんを追いかけ、斜め後ろを歩く。
部室に行けばあると考えた私達は、2人で部室に向かう。
2人きりで歩くことに緊張しているのか、
はたまた暗がりを歩くことに不安を覚えているのか、
私の心臓は早まり続ける。
「…痛くねぇのかよ」
「えっ、あ、うん、大丈夫だよ!」
「そうか」
たまにそんな確認をしながら影山くんは進む。
少し進んでから、斜め前を歩きながら影山くんは言った。
「どんくらい腫れてんだ」
「うーん…、…ちょっと、だけ…?」
上手く言葉に表せず、曖昧な答えを返すと
影山くんは心配そうな声をして振り返る。
「…本当に少しかよ」
「う、うん」
「た、多分」と続けると、影山くんは私の目線に合わせて屈む。
「見せろ」
「うぇっ?!」
影山くんはそう言って私の後頭部に手を伸ばした。
ちちちちょとまって、
清水さんに触られただけでもあんなにドキドキしたのに
もし影山くんに触れられたら………
考えれば考えるほどに自分の顔がリンゴ色に染まる。
グルグルと回る目を必死に凝らして前を見ると、
綺麗な顔立ちをした影山くんが心配そうに私を見つめていた。
フワッと、影山くんの香りがする。
タオルを嗅いだ時と同じ柔軟剤の香りと、
部活後だからか、ほんの少しの汗の香り。
もう手が触れる。
逃れられないと悟った私は、目をギュッと瞑った。
その時だった。
「何してんの」
慌てて目を開くと、部室の方から月島くんがこちらを見ていることに気が付いた。
「つ、月島くん!?」
「校内でイチャつくのはやめてくださーい」
「さんの怪我見ようとしただけだ」
「……氷嚢も持たずに?」
呆れた顔をして近づいてくる月島くんに、「今から取りに行こうとしてたんだよ」と影山くんは眉間に皺を寄せて答える。
「月島くん、もう帰っちゃったのかと思ってた」
「誰かさんがタンコブ作ってたから、部室が閉まる前にコレ取りに来てただけ」
そう言って月島くんはカバンから氷嚢を取り出した。