第22章 気持ち
「こ、こんにちは!」
カチコチしながら体育館へ入ると、「「「チワーッス!!」」」と体育会系な返事が返ってくる。まだまだ慣れずにビクッとしていると、月島くんが嘲笑いに来た。
「……小鹿みたい」
ププッと笑う素振りを見せながらそういう月島くんに、
「違います!」と頬をふくらませる。
「ツッキー意地悪しちゃダメだよ!」
「うるさい山口」
「ごめんツッキー!!」
こんな夫婦漫才のような会話が繰り広げられた。
昨日と同じじゃないか。
そんなことをしている私の後ろに続いて仁花も恐る恐る体育館に入る。すると日向が嬉しそうに英語のテストの点数を仁花に報告していた。そして自分の事のように喜ぶ仁花。
なんとも可愛らしい2人だ。
「あ、2人とも!来てくれてありがとう!」
声の主は清水さんだった。
「よろしくお願いします!」
「よ、よろしくお願いシアス!!」
「ふふ、よろしくね」
そんなこんなで今日も部活の見学が始まった。
「流れ玉には気を付けてね」という清水さんの言葉の通り、何度かボールが飛んできたが、その都度私達は上手く対応した。
つもりだった。
実際には、部員の皆さんがボールを弾いてくれたり、清水さんが守ってくれたりと、全く私達が対応することは無かった。
だからこそ、油断していた。
「ワブッッ!!!?!」
「!!」
「ちゃん!大丈夫!?」
後頭部にボールを喰らったのだった。
「ゴゴゴゴメン!!!ダイジョウブ!!??」
慌てて寄ってきたのは日向くんだった。
「だ、大丈夫大丈夫!私こう見えて丈夫なの!」
エッヘン!と笑ってみせたが、日向くんは「ホ、ホント……?」と心配そうに見つめている。
コートの向こうからは、影山くんの「日向ボケ!!ヘタクソなレシーブしやがって!!」という怒鳴り声が聞こえる。
実は昨日から「日向ボケ」という言葉をよく聞いている。
もしかして影山くんはボキャブラリーが少ないのだろうか、なんて思っていると、後頭部に温もりを感じた。
「タンコブできてるじゃん」