第21章 マネージャー
名前がわからないことを察したのか、月島くんは先に名乗ってくれた。
「4組なんだ!私、3組の…」
「井出さんでしょ、知ってるよ」
「え!なんで!?」
「なんでって……、最初に名前言ってたじゃん」
「あ、そっか!」
「井出さんって意外と抜けてるとこあるんだね」
呆れた、とでも言いたげな顔で月島くんはそう言った。
「失礼な!!」
「あ、怒った」
精一杯頬を膨らませて怒る私を何事もないかのように見下ろす月島くん。
「ツッキー、女の子いじめちゃだめだよ!」
「うるさい山口」
「ごめんツッキー!」
私を擁護するように、月島くんとテンポのいい会話を繰り広げるのは
そばかすの男の子。
「俺、山口忠!4組だよ」
「山口くん!私は「3組の井出さんデショ」」
「さっきもこのやり取りしたじゃん」とケラケラと笑う月島くん。
「もう!わかってたもん!!」
本当はクラスも名前も言おうとしていたけれど。
そんな私を見て楽しそうに揶揄う月島くんは、
山口くんと幼馴染なんだそう。
だからこんなにもテンポの良い会話が繰り広げられているのか。
こんなことしている間に先輩達が集まってきた。
「お前ら、1年生さんともうそんなに仲良くなったのか」
「おいおい、俺らも混ぜてくれよ〜」
「別に仲良くないです。」
「なんだよ月島、ツンデレかよ〜っ!」
どうやらこの人達は3年生らしい。
なんだ先輩の中でも特に貫禄があるし、なによりも
あんなにも私もいじってくる月島くんをこんなにも手懐けている。
3年生に違いない。そう思っていると、
「ヨロシクね」
怖い顔をした先輩が横から声をかけてきた。
「ヒッッ」
「旭顔怖い!」
「えっそんな……」
「すまん、うちの旭が…」
思わず声を上げると、すかさず先輩方はフォローをしてくれた。
「俺は主将の澤村大地。それと」
「俺は菅原孝支!」
「東峰旭です。」
「よ、よろしくお願いします!」
失礼は承知で思う。
噂の怖い先輩って旭さんのことだな。