第21章 マネージャー
いつの間にか外は暗くなり、練習は終わりの時間を迎えていた。
最初は見学だけのつもりだったが、周囲の熱気に促され
気が付いたら私もマネージャーの仕事をやらせてもらっていた。
「それじゃ、今日の練習はこれで終わりだ」
その声を聞いた選手たちは肩で息をするほど疲労しているが、
どこか物足りなさそうな顔をしている。
何かに熱中している人達って、本当にかっこいい。
ポーっと選手たちを眺めていると、影山くんと目が合った。
ドクンっと心臓が跳ねたが、すぐに影山くんは
日向くんに呼ばれ、自主練を始めていた。
「ちゃん、お疲れ様」
「清水さん!」
清水さんは少し笑みを浮かべて私のそばに立った。
「今日はマネージャーの仕事手伝ってくれてありがとう」
「いやいやいや!全然力になれなくて……、
こちらこそ色々教えて頂いてありがとうございました!」
「ふふ、見学って予定だったのにね」
「つい、皆さんを見てたら見学だけじゃ物足りなくって。
それくらい皆さんの気合いが伝わってきました!」
「そうでしょ。この間のインターハイ予選は負けちゃったけど…、
…今度こそ行くんだ。全国の舞台に。」
そう決意するような顔をする清水さん。
「……私も、一緒に戦いたいな。」
思わず口から零れたその言葉に、慌てて口を抑える。
清水さんは「え?なにか言った…?」と、何も聞こえていないようだった。
「なんでもありませんっ」と笑顔を作ると
清水さんは頭にはてなマークを浮かべながらも
私を見てふふっと笑った。
「先に着替えてていいからね」という清水さんの言葉に甘え
私は先に更衣室で着替えを済ませた。
帰る前に挨拶をしようと体育館へもう一度戻ると、
清水さんの姿が見えなかった。
キョロキョロとしていると、頭上から声が降ってきた。
「清水さんなら、今部室に行ったよ。」
顔を上げると、金髪の男の子が私を見下ろしていた。
「あ、ありがとう!えっと……」
「月島蛍。1年4組。」