第21章 マネージャー
「あ、いや、今日は見学だけ!」
「そっかー」
親しげに話す私達を見て、坊主の先輩は日向くんに言った。
「日向、この美少女と知り合いかよ!」
「はい!」
その言葉を聞いて、そばかすの男の子は問うた。
「さんって3組じゃなかったっけ…?」
「そうそう!おれはクラス違うけど廊下で知り合った!」
自慢気に言う日向くんに対して、
そばかすの男の子は「どういうこと…?」と呆れ顔で笑う。
すると、金髪の子がポツリと呟いた。
「そういえば、王様も3組じゃなかった?」
その言葉を聞いて、部員の皆さんはバッと後ろを見た。
みんなの視線の先では、影山くんが目を見開いて固まっている。
「影山、知り合いだったのか??」
主将さんらしき人が影山くんにそう聞くと、
影山くんは「はい」とだけ答えた。
「ヘイ!1年ガール!!!」
突然、変な髪型の小柄な先輩が目の前に飛び出てきた。
「は、はい!」
「ぜひともマネージャーをやってくれたまえ!」
「えっ」
「オレは君に会うためにバレー部に入部したんだ!!」
「えっ?!」
突然の口説き文句にあたふたとしていると、
「西谷、お前テキトーなこと言ってんじゃないぞー」
「さん困ってるだろ」と、短髪の先輩が小柄な先輩を引きづっていく。
首根っこを掴んで。
そうこうしている間に、ガラの悪そうな金髪のお兄さんが体育館に入ってきた。
「ヒッ」
思わず悲鳴を上げると、清水さんが少し笑って言う。
「さん、あの人はコーチだよ」
「へっ!?!?」
コーチに向かって悲鳴を上げてしまった。
なんて失礼な態度だ。このポンコツめ。
そんなことを思って自分を責めていると、コーチは少し悲しげな顔をした。
「さっき、この学校の生徒に殺されるって逃げられたんだけど……」
……申し訳ない。それは間違いなく仁花だ。
心の中で勝手に謝罪をしていると、練習を始める声掛けが聞こえた。
「それじゃあちゃん、まずドリンク作りからするね」
少し微笑んで私を先導する清水さんに思わずときめきながらも、
私は一生懸命に清水さんの背中を追いかけた。