第21章 マネージャー
その日から私の毎日は大きく変わった。
今日も今日とて、チャラ男くんは教室に来ている。
「ご、ごめんなさい。サッカー部のマネージャーはやらない…かな」
「えーーーー、見学だけでも来ない??」
「ごめんなさい…」
「えー、俺ちゃんがマネージャーやってくれたらもっと部活頑張るのに!!」
そんな答えに対して「アハハ…」と笑う。
それでもやっぱりチャラ男くんは引き下がらない。
「じゃあ連絡先だけ!今日こそ教えてよ!」
「うーん…、いらないかな……」
「ガーンっ!いいじゃーん!」
しつこく粘るチャラ男くんに負け、断るのを諦めようとする。
でも大抵はそのタイミングで彼が来る。
「お前いい加減諦めろよ」
「ゲ、影山…」
影山くんだ。
この間は「なんかあったら呼べ」と言ってくれていたが、
結局呼ぶ前に影山くんは颯爽と現れてくれる。
「はーっ…、はいはい、諦めますよーっと!」
そう言いながら彼はお手上げポーズをして教室から出て行った。
…とか言いつつまた来るだろうな。
そう頭の中で苦笑いしながらも、影山くんにお礼を言った。
「影山くん、ありがとう」
「…おう」
影山くんはそう言って去って行く。
それがここ最近の休み時間での恒例行事だ。
でもそれだけじゃない。
移動教室。
クラスメイトに「一緒に行こう!」と誘われるようになったのだ。
今までぼっち移動だった私にとってこれは奇跡のような出来事だ。
最近の私はクラスメイトと廊下を歩くという幸せに心を潤わせながら歩いている。
そんな幸せな時間にも奴は現れる。
「あ!ちゃん偶然〜!」
チャラ男さんだ。
「あ、あはは…、偶然ですね」
きっと私の笑顔は今引き攣っているだろう。
「連絡先交換しよ!」
ここでも言うのか。
「…ごめんなさい」
「えーっ、連絡先くらいよくねー?」
チャラ男さんは「今日は番犬もいないしっ!」と言って笑う。
番犬…??
もしかして影山くんのことだろうか……?
「……う、うーん…」
私はどうにかして断るため言い訳を探していた。
……………何も浮かばない。
その時。
「あんたいい加減諦めな〜」
「そうだそうだ!」
クラスメイトが間に入ってくれたのだ。