第20章 これから
次の日の昼休み。
仁花と空き教室でご飯を済ませた私は、教室に戻るため廊下を歩いていた。
影山くんはもう教室にいるかな~なんて考えながら歩いていると、何やらいつも以上に教室が騒がしかった。
「…??」
どうしたんだろう、と、不審に思いながら教室に入る。
「あ!!戻ってきた!ちゃーん!」
そう言って手を振るのは、昨日のチャラ男くんだった。
「…へっ?」
「やっほー!昨日ぶり!」
唖然とする私を見てもお構い無しにヘラヘラと近付いてくる。
「相変わらず可愛いね~!」
当然のようにお世辞を言うチャラ男くんに、「そ、そんな滅相もないです…」と下を向くと、周りがザワザワしていることに気がついた。
『あいつももしかしてさん狙い?』
『やっぱさんモテるなぁ~』
『顔赤くなってるさん可愛い~』
『さんの好きな人ってもしかして…』
ハッと周りを見ると、教室にいるほとんどのクラスメイトがこちらを見ていた。
どうやら騒がしい教室の中心にいたのはこのチャラ男くんだったようだ。
「あ、あの、なんの用でしょうか…?」
私のその言葉にチャラ男くんはニッコリと笑って言った。
「昨日の返事聞きに来た!」
星がついてそうな口調でそう言うチャラ男くん。
「昨日って…、あ、放課後の…ですか?」
「そーそー!考えてくれた?」
《昨日の返事》。
内容を知らない周囲からすると、あれの話にしか聞こえない。
『えっ、もしかしてあいつさんに告ったのかよ!?』
そう。告白だ。
「え、えーっと…」
サッカー部のマネージャーの話なら考えていなかったけれど、もともとやるつもりはない。
そう答えるために言葉を選ぼうとするが、周りのザワザワした声が気になってしまって頭が回らない。
『え!?あいつさんのこと好きなのかよ!?』
絶対に聞こえているだろうに周りの言葉なんて一向に気にしないチャラ男くん。
流石に代わりに否定しようと口を開いた時、前の扉から影山くんが入ってくるのが見えた。
こんな話影山くんに聞かれたら…!!
なんて考えていると、影山くんはちらりとこちらを見て、そのまま机に突っ伏してしまった。
その姿を見て思った。
そうか、影山くんからしたらどうでもいい話だったか。