第20章 これから
教室につき、自分の席で私は座っていた。
斜め前の方に見える影山くんの席は、まだ誰も座っていない。
今日も朝練頑張れ、と心の中でエールを送る。
そうしている間に時間は経ち、教室が賑やかになってきた。
影山くんが教室に入ってくるのが見え、私は自然と笑みがこぼれた。
「おはよっ!」
「おう」
なんだか今日は影山くんも上機嫌に思える。
きっと朝から充実した練習ができたんだろうな。
そんな影山くんを見てこちらまで口角が上がってしまう。
勝手に上がる口角を誤魔化しながらHRを待った。
授業中も斜め前の影山くんをチラチラと見ながら、板書を写していた。
テストが近いからだろうか。
いつもと違って影山くんが一生懸命起きて授業を聞いていた。
影山くん頑張れ!
呑気にそんなことを思っていた。
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その日の4限には抜き打ちで英語の小テストがあった。
…まずい。
まずいまずいまずい。
最近影山くんの事ばかり考えていたからか、いつもより点数が下がっている。
放課後、私は慌てて仁花の元へ向かった。
「ひ、仁花あああ!一緒に勉強しよおおおおお」
「え!?い、いいよ!」
驚きながらも快く了承してくれた仁花は、「教室で少しやってから帰ろう」と提案をしてくれた。
仁花にお礼を言って、仁花の教室で勉強を始めた。
少し経つと、「飲み物買ってくる!」と仁花は教室から出ていってしまった。
その間も仁花の教室で勉強を続けていると、教室に人が入ってきた音が聞こえた。
サッカーの練習着のようなものを着ている。
ぺこりと挨拶をして、そのまま勉強を続けていると男の子が近づいてきた。
「さんだよね?」
「へ、あ、はい!」
だ、誰だっけ?
どうしよう、この人の名前がわかんない
どうしよう、どうしよう、ドウシヨウ………
フリーズしていると、この人はヘラヘラして言った。
「知ってるよ~有名人だし!
3組のさんが可愛いって〜!
本当に可愛いね~!!」
「え、いや、そんな、滅相もない…です……」
恥ずかしくて段々声が小さくなる私を見て「可愛い~」なんて言うこのチャラ男さんは、一方的に私を知っているだけの様だった。
「さんさー、今なんも部活やってないんでしょー?」
「は、はい」