第19章 憧れ
「!!…さん、」
追いついた私は荒げた息を落ち着かせ、影山くんを見上げた。
「影山くん、朝の『悪かった』ってどういうこと!!」
つい、少しだけ怒りを含んでしまった。
影山くんも驚いたような顔をしている。
でもそんなの気にしている余裕なんてない。
「私ね、昨日すごくすごく興奮したの。
帰り道も、ボールの音とかシューズの音、みんなの掛け声とか、ずっと耳に残ってたの。あんな経験初めてだった。
あんなにドキドキする試合、見れてよかった。応援させてくれてありがとうって、そんな気持ちになった。
それなのに、『つまんねー試合』って言葉で片付けられて私は寂しい。『悪かった』なんて思って欲しくない。
私はバレーの経験がないから専門的なことはわからないけど、これだけは自信もって言えるよ!
つまんなくなんてなかった!
…すっごくすっごくかっこよかったよ!」
少し息を荒らげて言い切った私は我に返った。
なんかお説教みたいになっちゃったかも、、
「あ、その、だからなんだって思うかもしれないけど……、」
恥ずかしくなった私は一生懸命誤魔化す言葉を探した。
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▶︎ 逃げる
それしか頭に思い浮かばなかった。
影山くんの顔を見ることもできず、「それじゃ、私帰るね、部活頑張ってね!」なんて言って教室へ逃げた。
教室に帰ってきた私は、自分の荷物をまとめて仁花と下校をした。
思い出すだけで恥ずかしさばかりが残り、枕に顔を埋めて大声で叫びたい気分だった。
「なんか顔赤くない?どうした?」なんて言われながら私はバスに揺られた。