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一目惚れ【影山飛雄】

第19章 憧れ


チャイムが鳴り、私は自分の席に着いた。

席替えをしたおかげで、HRも授業中も影山の背中をずっと見ていられた。

一日中机に突っ伏している影山くん。
たしかに影山くん日頃から机に突っ伏していることが多いけれど、今日はなんだか元気がないような気がした。

やっぱり昨日の試合がまだ頭に残っているんだろうな。

影山くんの口からこぼれた言葉が頭によぎる。

「悪かった」

どうしてあんなことを言うんだろう。
あんなにも白熱した試合だったのに。あんなにも興奮させられたのに。

それを「つまんねー試合」だなんて。「悪かった」だなんて。
私にとって憧れの存在である影山くんが、そんなかっこ悪いことしないでほしい。

そう思って影山くんの方に目をやると、丁度影山くんが顔を上げていた。

苦しそうに顔を上げる影山くんの机には、トーナメント表が置かれているのが見える。



悔しいんだろうな。



私なんかが影山くんを慰められるとは思えない。

でもせめて、正直に気持ちを伝えたい。かっこよかったよって伝えたい。

悪かったなんて思って欲しくない。

影山くんに伝えよう。そう固く決意した。


しかし、休み時間は机に突っ伏しているし、お昼休みはすぐにどこかへいなくなってしまう。
結局、休み時間では声をかけることはできなかった。


そして放課後。
HRの後、影山くんは早々に教室を出ていった。

絶対伝える!!

ガタンと勢いよく立ち上がり、私は影山くんの背中を追いかけた。

おそらく体育館へ向かっているであろう影山くんは、廊下をとぼとぼと歩いていた。

「影山くん待って!」
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