第18章 青葉城西
次の日、いつも通りの「おはようメール」に[今日から大会頑張ってね!]と加えたが、影山くんからきた返事は[おう。]とだけだった。
少し残念な気持ちもあるが、きっと気合いを込めてこの一言を打ったのかな、なんて都合のいい解釈をして私は仁花の元へ向かった。
「、おはよう!」
「ちゃんおはよう」
「おはようございます!」
仁花と仁花のお母さんと合流し、遊園地へ向かった。
遊園地に着いてからは、昨日仁花と計画したとおりに遊園地を廻り、乗り物を待つ時間は影山くんの話や、仁花のクラスメイトの話、仁花のお母さんは主に仕事の愚痴を終始途切れることなく話し続けた。
夕方、遊び尽くした3人はお土産コーナーでグッズを見ていた。
「みて、恋愛成就のお守りだって!」
「ほんとだ!付属してるクマのぬいぐるみ可愛いー!」
「いいじゃない、影山くんとの恋のために。」
「や、やめてください!」
「あはは、汐香顔真っ赤〜」
「仁花うるさいっ!!」
仁花のお母さんは影山くんのことで茶化してくるようになり、「私トイレ行ってくる!」と私はトイレへと逃げた。
トイレを済まして2人に合流すると、仁花のお母さんが小さな紙袋を3つカバンから取りだした。
「はいこれ、3人でオソロイね」
紙袋を見ると、先程見たクマのお守り付きキーホルダーが入っていた。
「仁花は学業成就、私は健康成就、ちゃんは恋愛成就よ」
「うわぁー!お母さんありがとう!」
「ありがとうございますっ!」
仁花のお母さんからのサプライズに喜んでいると、仁花のお母さんは優しい顔をして言った。
「ちゃん、いつも仁花と仲良くしてくれて本当にありがとうね。これからも仁花をよろしくね。」
仁花のお母さんはいつもそう言う。
厳しい人ではあるけれど、本当に仁花のことを大切に思っていることがすごく伝わってくる。
「そんな、私の方こそです」
すごく楽しい一日が終わり、少しの寂しさもあったが
沈んでいく太陽が見せた夕日のおかげか、はたまた仁花のお母さんの言葉のおかげか、私の心は橙色に染まったのだった。