第16章 雨音
「出ますーー!さん、おれの身長見て出ないって思ったんでしょ!!」
半泣きになりながらも少し怒った日向くんに、ごごごめん!!と慌てて謝罪した。そんな私を見て、日向くんは言った。
「たしかにおれは他の人と比べると少しだけ、ほーんのすこしだけ背が低いかもしれない。」
少しだけ…?と思ったことは言わずに、日向くんを見た。
すると先程までの様子とは打って変わって、こう言った。
「だけど、おれは飛べる!!」
そう言い放った日向くんはとても堂々としていて、かっこよく思った。
すごいなぁ、と尊敬した眼差しで見つめていると太陽のような笑顔で日向くんは言った。
「だからさ、見に来てよ!試合!」
そう言われた私は「うん!」と答えてしまった。
その後、「場所とか伝えたいから連絡先教えて!」とコミュ力お化けの日向くんに言われた私は連絡先を交換し、「じゃあ!また明日ね!」と嵐のようなスピードで去っていく日向くんを眺めながら私は廊下にぽつんと残されていた。
どんどん小さくなる日向くんの後ろ姿をボーッと見ていると、可愛らしい声が横から聞こえてきた。
「っ!ごはんたーべよっ!」
「あ!仁花!」
その後ご飯を食べに空き教室へと向かった。
その頃にはもう、私の耳に雨音は届かなかった。