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イケメン戦国《私だけを囲うひと》

第9章 縁談



「縁談の話、なくなったんだって?」

家康がゆったりと現れ、私と光秀さんを見るとため息をついた。

「どうなるかと思ったよ。心臓に悪いから、こういうのはやめてよね」

「…ごめん」

「おーい、なんとか上手くまとまったみたいだな!」

私と家康の間に、政宗が両手を広げて飛び込んで来ると、私の顔を覗き込んだ。

「な。大丈夫だっただろ?」

それを制するかのように、光秀さんが割って入った。

「…政宗、所用はもう済んだのか?」

「あ、光秀、てめぇ!無理矢理、所用なんか頼むんじゃねぇよ。間に合わないかと思って焦ったじゃねーか」

「…ほう。そうであったか。不思議なこともあるものだ」

「しらばっくれんな」

「え?政宗が、光秀さんに着付けを頼んだんじゃないの?」

「そんな大役、誰がこんな奴に頼むかよ」

政宗が光秀を睨むと、家康が言った。

「…でも、政宗さんより、光秀さんの方が適役だね。政宗さんってあわよくば…な所あるし」

「そうだろう?家康、お前は賢いな」

「…光秀さんに褒められても嬉しくありませんが」

そんな二人に、私は首を振った。

「ううん、政宗はそんなことしないと思うな…。ね、政宗」

「まあな」

私が微笑むと、政宗が近づいてくる。

「へえ…綺麗だな。そのまま、伊達家に嫁に来るか?」

政宗がそのまま手を伸ばそうとすると、光秀さんが静かに前に立ち、私を隠した。

「…油断も隙もない男だ。わきまえろ」

「わりぃな。俺は、綺麗で度胸のある女が好みなんだよ」

「ほう。それは奇遇だな。それだけではない。この娘は…追い詰められるほど、大胆になるからな」

睨み合いながら、話す光秀さんに、私が着物の袖を引っ張った。

「私、大胆になったことなんてありませんけど」

すると、口の端だけ笑い、光秀さんが耳元で囁いた。

「つれないことを言う。——初めての夜、誘ってきたのはお前だろう?」

「……なっ?!」

私が耳まで赤くすると、光秀さんがくつくつと笑った。

「本当に意地悪です!」







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