• テキストサイズ

イケメン戦国《私だけを囲うひと》

第9章 縁談




「——手を振り払え」

「え?」

「俺の手は血まみれだ。お前が欲しい幸せは、俺とは掴めない。…だから、この手を払いのけろ」

「光秀、さん…」

私はその手を掴んで、握りしめた。

「私があなたを振り払われないって知ってるくせに…どうしてそんなこと言うんですか?」

光秀さんは、何も言わず私をただ見つめ返した。

「私はあなたがいてくれたら、それだけで幸せなんです。わかってるくせに」

私が強く握ると、光秀さんの手がゆっくりと重ねられた。

「…いいのか?それで」

「いいんです。私、別に結婚なんて、したくない。何もいらない。恋仲にも、なってもらわなくていい。何も…望まないから…」 

また、涙が溢れてしまう。

「このまま、側にいさせてください…っ」

言い終わらないうちに、光秀さんに強く抱きしめられた。

「馬鹿だな…こんな男を選ぶとは」

ひっくひっく、私は泣きじゃくりながら、光秀さんの背中を抱きしめた。

「…そのように泣くと、また化粧が取れるぞ。せっかく綺麗にしてやったのに」

「いいんです。光秀さんだけ、綺麗な私を知ってくれているなら」

そう言うと、光秀さんがふっと笑った。

「…あまり俺を喜ばすな」

私を覗き込み、指先で涙を拭う。

「とても綺麗だ…」

そう微笑むと、優しいキスを落としてくれた。



………
/ 64ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp