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イケメン戦国《私だけを囲うひと》

第8章 恋仲になりまして





*

その日の夕刻。
部屋に戻ろうとしたところで、背後から、腕を引かれた。

「……っ」

驚く間もなく、
そのまま引き寄せられる。

「声を出すな」

低く囁かれ、誰かはすぐにわかった。

「……み、光秀さん…?」

人気のない廊下の陰。
さっきまでの“公の顔”とは違う距離に戸惑う。

「なぜ、何も言わなかった」

「え…?」

「今朝だ」

ああ、と気づく。

「だって…いつも通り、だったから…」

そう答えると、
わずかに、ため息が落ちた。

「当たり前だ」

「……っ」

「人前で、昨夜のように振る舞えと?」

「そ、それは…」

言葉に詰まる。
確かに、それは無理だけど。

でも…

「……少しくらい」

思わず、こぼれる。

「少しくらい、特別でもいいじゃないですか…」

言った瞬間、しまったと思った。
でも、もう遅い。

「……」

沈黙が落ちた。
怒らせたかもしれない。

そう思った、その時。




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