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三作目 高木雅利

第1章 本編


昼ご飯の時間。

「お腹すいちゃったね」

「あんなに走ってたらお腹もすぐだろうね」

「お弁当作ってきたから、食べよう?」

「悠里も作ってきたんだ」

「持ってきてないや」

「悠里の食べさせてあげる」

「私のもあげるよ」

芝生にシートを引き、お弁当を出した。

「美味しそうだね」

「千尋ちゃんのも見たい」

「私のは、これっ、
悠里ちゃんみたいにお洒落じゃないけど…」

千尋ちゃんはお弁当箱を広げる。

「え?!これ千尋ちゃんが作ったの!?」

「うん…」

「え、すっごく美味しそう!
千尋ちゃん、料理上手なの羨ましい!
少しもらってもいい?」

「食べて食べて!」

「悠里のサンドイッチも食べてみて」

「このサンドイッチ美味しい!」

「このオムレツ、美味しい!」

「ほんと?嬉しいな〜」

「千尋ちゃん、今度お料理教えてほしい♪」

「私なんかでいいならいつでも〜」

「あの…」

「あ、雅利くんも、ほら、あーん♡」

「自分で食べれるよ」

「いいから、口開けて、あーん♡」

(な、なんだこの人前で…)

「こっちも、あーん」

(ち、千尋ちゃんまでか…)

楽しそうにご飯を食べていた。

「おなかいっぱいになったからまた、行こ」

そして…

「あっという間だったね〜」

「楽しかったな〜」

「楽しかった〜♪」

「また、遊びに行こう」

「ねえ、雅利くん」

「どうした?」

「っ…」

悠里ちゃんは背伸びをして、俺の頬に手を当て唇を重ねる。

(ど、どういうことだよ、キス…?)

「ふふっ、悠里の気持ち」

(気持ち?どういうことだ、楽しかったから、キス…?
そんなわけない、キスは好きな人とと…じゃないか?)

雅利は困惑した。

「ま、雅利くん」

(待ってくれまだ、理解が追いついていないから、
話しかけられても…)

千尋ちゃんは、しゃがみこみ、俺と唇を重ねた。

(なんだこの状況は、最近の女子は楽しかったら、
キスをするのか?!)

「私の気持ち…」

二人は顔を赤くしながら
楽しそうに会話をしながら歩き出して、
二人は振り向き、俺に笑顔を見せた。

(理解が追いつかない…)

二人は笑顔を見せていた。

(だめだ、全然意味わかんない。二人も楽しそうだし…)

石瀬千尋と天宮悠里は、心の奥底から、高木雅利が好きだ…
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