第1章 本編
昼ご飯の時間。
「お腹すいちゃったね」
「あんなに走ってたらお腹もすぐだろうね」
「お弁当作ってきたから、食べよう?」
「悠里も作ってきたんだ」
「持ってきてないや」
「悠里の食べさせてあげる」
「私のもあげるよ」
芝生にシートを引き、お弁当を出した。
「美味しそうだね」
「千尋ちゃんのも見たい」
「私のは、これっ、
悠里ちゃんみたいにお洒落じゃないけど…」
千尋ちゃんはお弁当箱を広げる。
「え?!これ千尋ちゃんが作ったの!?」
「うん…」
「え、すっごく美味しそう!
千尋ちゃん、料理上手なの羨ましい!
少しもらってもいい?」
「食べて食べて!」
「悠里のサンドイッチも食べてみて」
「このサンドイッチ美味しい!」
「このオムレツ、美味しい!」
「ほんと?嬉しいな〜」
「千尋ちゃん、今度お料理教えてほしい♪」
「私なんかでいいならいつでも〜」
「あの…」
「あ、雅利くんも、ほら、あーん♡」
「自分で食べれるよ」
「いいから、口開けて、あーん♡」
(な、なんだこの人前で…)
「こっちも、あーん」
(ち、千尋ちゃんまでか…)
楽しそうにご飯を食べていた。
「おなかいっぱいになったからまた、行こ」
そして…
「あっという間だったね〜」
「楽しかったな〜」
「楽しかった〜♪」
「また、遊びに行こう」
「ねえ、雅利くん」
「どうした?」
「っ…」
悠里ちゃんは背伸びをして、俺の頬に手を当て唇を重ねる。
(ど、どういうことだよ、キス…?)
「ふふっ、悠里の気持ち」
(気持ち?どういうことだ、楽しかったから、キス…?
そんなわけない、キスは好きな人とと…じゃないか?)
雅利は困惑した。
「ま、雅利くん」
(待ってくれまだ、理解が追いついていないから、
話しかけられても…)
千尋ちゃんは、しゃがみこみ、俺と唇を重ねた。
(なんだこの状況は、最近の女子は楽しかったら、
キスをするのか?!)
「私の気持ち…」
二人は顔を赤くしながら
楽しそうに会話をしながら歩き出して、
二人は振り向き、俺に笑顔を見せた。
(理解が追いつかない…)
二人は笑顔を見せていた。
(だめだ、全然意味わかんない。二人も楽しそうだし…)
石瀬千尋と天宮悠里は、心の奥底から、高木雅利が好きだ…