第3章 初恋は
「天野ちゃん、帰るよー」
「おっけ、じゃあ帰る!また明日!」
「楽しんできてね〜」
「また明日ね」
みんな学生だから恋とかで騒げる
私もこんな学生時代送りたかったなぁ
「なんの話してたの?」
「気になる?」
「んーいや、なんか俺の名前聞こえたから」
「あー、なんか恋愛の話」
「なに俺に惚れた?」
「ぷっ違うよ〜、それみんなにも言われた」
「なーんだ」
「私さ恋とかしたことないし、一応23よ?学生に恋するわけないでしょ〜」
「え、初恋まだとか意外だわ」
「学校行ってたらなにか変わってたかな〜」
「…その理由聞いてもいいの?」
「うん、別に聞いてもいいけど興味ないでしょ」
「あるよ、それなりに」
「…まあいじめかな、気がついたら学校にも行けなくなってただけ。家族にもまともに顔に合わせてなかったし恋する時間なかったでしょ?」
「……いじめ、ねぇ…」
「気にしてないって言えば嘘になるけど、私には私だけの居場所もあったし重い話にしなくてもいいよ」
「どこ?」
「SNS、あれすごいよね。顔も見れない相手と仲良くなれて、自分と同じ人にも出会える。素晴らしいものだよ」
社会人になる頃にはもう話すことはなくなってたけど、私の青春は、味方は、あそこだけだった
「恋したいとかなかったわけ?」
「ないよ〜、そんなの考えたこともなかった」
ただ私は必要とされたい、それだけだったから