第9章 innocent@忍足侑士 ❦
たどたどしくも舌を絡めてくる紫雨の髪に手を差し込む。
(頭、小ぃこ)
すっぽりと片手に収まっている頭を撫でる。
背中に添えられた両手に抱き寄せられるようにして、覆いかぶさるようにしていた体を、そっと重ね合わせる。
トン、と侑士の肩を叩いた紫雨の手に、ようやく唇を解放する。
「長いっ!」
「くっついてたいんやもん」
すり、と柔らかい頬に自身の頬を擦り寄せる。
「侑士くんって、髭、生えないよね」
「そんなことないで。
まあ、そう頻繁に剃る方でもないとは思うけど」
スベスベ、と頬を撫でる紫雨の手を取り、指先に口付ける。
「紫雨の肌の方がきれいや」
「一応、お手入れ頑張ってるもん」
「女ん子やなぁ」
「貴方のためだよ?」
ツヤツヤとした爪先の薬指を唇で食み、上目に紫雨を見た。
「そんなん言われたら、調子乗んで?」
「そんなタイプじゃないくせに」
「わからへんで。
化けの皮被っとったかも知れへん」
指先に僅かに舌先をつけると、紫雨の肩が竦む。
「頭ん中では、いつも、紫雨とやらしいことする事ばっかり考えとったかも」
「っそうなの?」
「無いとは言えへん」
「男の子の事情、曝け出すね」
おかしそうに笑う紫雨の頬に顔を寄せた。
「んっ」
「こんなんとか」
すり、と頬を擦り寄せ、僅かな吐息混じりに耳元で囁く。
「っあ」
「こうとか」
首元に顔を埋め、鎖骨を食み、シャツの襟ぐりを顎で捲って肩を舐める。
「っふっ!」
「こういうんも考えとったかなぁ」
湿らした舌先で、肩から首、耳の舌辺りまでをゆっくりと舐め上げる。
「あっんんっ」
「かわええ声。
もっと聞かしてや」
頭を包む手の指先で撫でながら、再び紫雨の服の裾から中へと入れた逆の手で、下着のサイドベルトをなぞった。
背中に回した手でシャツを捲り上げる。
恥ずかしそうに目を閉じた紫雨の胸を包む、白地に淡い色の花柄が着いた下着。
「かわええね
似合うとる」
カップの上から、包み込むように添えた手で、柔らかく温かい乳房を押し上げた。
「やわこ...」
つい漏れたような侑士の声に、ふふ、と紫雨が肩を震わせた。
「心の声、漏れてる」
「気いつけよ」
素肌に指先を埋めた。