第6章 変わりゆく感情
海に飛び込んで、しばらく泳いで陸に上がる。
髪と着物が濡れてるが、気にしないで歩く。
しかしあんずは殺生丸のことが、好きじゃないのか?
求めるより求められる、そのほうが俺はいいと思う。
その結果失敗をした。
自分の物にしたいという、欲求だけで桔梗を求めた。
俺があんずの思いを受け入れたら、桔梗はどう思うだろうか?
前向きになったと思うか?
それとも別の可能性を考える。
移り変わりが激しくて、本当に自分のこと好きじゃなかったの? そう思うのだろうか?
あんずの傍にいれば、何かを得るのか?
後ろから大きな音が、迫ってる気がして左に避ける。
振り返ると犬夜叉とかごめが俺を睨んで言う。
「生きていやがったのか奈落!」
「あなた死んだんじゃないの?」
うるさい奴らめ、質問を同時にするな。
かごめと言う女が巫女の着物を、着てる姿は初めてだ。
似合ってるほうだな。
「蘇りの鏡で蘇った、言っておくが望んだのはあんずだからな俺は一瞬だけ望んだが後悔してる」
再度犬夜叉が俺に攻撃態勢を、整えようとしたらかごめが俺に弓を構えて言う。
「本当なのそれって、死ぬ前に細工を施して生き返るようにしたんじゃないの?」
「細工などしていない」
かごめと犬夜叉の後ろの方から、あんずが走ってくる。
狐妖怪の本来の姿、大きい狐の姿で追いかけてくればこれくらいで俺に追いつくか後は匂いか。
あんずは俺の前に着くと、人間の姿に戻り犬夜叉とかごめの前に立ち言う。
「最後まで話しを聞いて、私は殺生丸様の返事をきちんと断りました、私は奈落あなたのことが・・」
「知ってる」
言葉を遮りあんずにそれ以上の言葉を、言わせないようにしたかごめが矢を放つのをやめて言う。
「知ってるってあんずちゃんの気持ちを?」
犬夜叉は鉄砕牙を俺に向けて、攻撃態勢を崩さないまま俺に向けて言う。
「嘘付けこいつが、そんな心を持ち合わせてるわけがないだろう」
「あんずちゃんは何を言いかけたの?」
かごめはあんずに問いかけて、あんずは後ろを俺に見せて言う。
「私は奈落のことが好きなの! 男の人として好きなの!」
犬夜叉とかごめは目が点になり、固まる。
俺も驚いた、まさかこんな大声で言われたから。
かごめ「思われてる人が、いるんだから桔梗もきっと安心するわよねぇ犬夜叉」