第4章 温もり
あんず視点
掃除が終わって、外に行き適当な虫を捕まえて焼き食べていると鏡の爺さんが出てきて、食事を見て言う。
爺さん「あんずちゃん、いいお嫁さんになれるねぇ」
私は首を横に振り、虫を口に入れて食べる。
爺さん「いや、奈落の旦那はね殺生丸? とか言う旦那のことをあんずちゃんが好きだと思ってるみたいだよ」
すると心の中にいた大妖怪の狐が、中身を交代して代わりに出てきた。
大妖怪狐視点
狐妖怪「あの世に行くなと俺は言ったよな?」
爺さん「すいません狐の旦那、今後はどうしたいんで?」
今後とは一体こいつ何を言っているのだろうか? しかも人の飯を勝手に食ってるしよ。
狐妖怪「今後とは?」
小さいハシで虫を器用に掴み、俺の方に向けて言う。
爺さん「旦那はこの鏡をどうしたいんで?」
この鏡がある限りあんずは、奈落を想い日々を過ごす。
蘇らせたいと思ってるんじゃないか?
狐妖怪「保持はよくない、壊してしまいたいが封印が一番手っ取り早いだろう」
爺さんは首を横に振り答える。
爺さん「鏡の封印が前に一度解けた時点で、もう迷いの森の鏡の封印は出来ません」
まだ俺があんずを支配してるから、心を喰われなくて済むがもし俺が居なかったらどうなってたか。
爺さんは鏡の中に消えて俺は、隅っこで寝ていたが誰かの視線を感じた。
あたりを見回しても誰もいない、鏡を叩き爺さんを呼び出す。
爺さん「何でしょうか?」
狐妖怪「おい視線を感じるんだが見てこい外を」
爺さんは外に出て行き、俺はまた隅っこで寝た。
次の日
俺が朝ご飯を食べていたら、爺さんが戻ってきた。
かなりヘトヘトな様子で言う。
狐妖怪「何か妖怪でも居たか?」
爺さん「いませんでした、きっと鏡でしょう」
視線と鏡が何の関係を意味してるんだ? 爺さんに俺は朝ご飯の木の芽を渡す。
爺さん「旦那ありがとう、奈落が鏡でこちらの様子を見てるんです」
爺さんの言いたいことが分からん、俺は木の芽をさらに爺さんに渡す。
狐妖怪「もっと分かるように説明しろ」
爺さん「はい、前に地獄に行った時に奈落に、鏡を渡したんです監視が出来ますよと今の現代の、様子を見させるためにです」
爺さんは奈落に鏡を渡し、あんずに興味をもたせる為か余計なことしてくれるこの爺さん。