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大妖怪の恋の行方

第4章 温もり


奈落視点

俺は地獄で償いをしていたら、また鏡の爺さんが来た。

奈落「何の用だ?」

睨み言うと爺さんは、俺の態度に屈しないで言う。

爺さん「奈落の旦那これ見てくだせぇ」

爺さんはそう言うと、鏡を取り出し俺に差し出す。

奈落「これで何をしろと?」

爺さん「まぁ文句言わず見てくだせぇ」

鏡を見ると、あんずが俺の以前使っていた拠点を掃除をしていた。

爺さん「奈落の旦那にも、愛してくれる人はおるんですねぇ」

バカを言うな、あんずは殺生丸か好きなはずだ。

俺は今でも桔梗が好きだから、別にこいつが何をしてようと関係ない。

奈落「あんずには興味ない、二度と見せるな」

爺さんは鏡をしまい込み、ひょうたんの壺を取り出す。

今度はそれを爺さんは飲み始めた。

奈落「酒かよ」

突っ込んでしまった、爺さんは酒を俺に差し出す。

爺さん「飲むか? 奈落の旦那」

奈落「飲まない」

あんまり酒を飲みたい気分ではない、横を見ると叫び声が聞こえてきて爺さんの方を見る。

奈落「ここに居て辛くないのか?」

爺さん「狐の旦那には此処に行くなと、言われましたが奈落の旦那のことが気になってね」

酒を飲み続けてるが、さっきから減ってる音がしない。

奈落「なぁ爺さんその酒減ってる気がしないだが」

爺さんは俺に酒の壺を渡すと、酒傘が増していた。

爺さん「この酒はな現世と繋がる酒なのじゃ、現世で飲めば減るがのぅ」

この世では飲めば、酒傘がまた増す。

現世で飲めば減る。

現世と繋がる酒かぁ。

爺さん「奈落の旦那? どうしたんでやすか?」

爺さんに問いただされて、酒の壺を見つめていたことに気が付く。

奈落「どうもしない、あんずは殺生丸と祝言でも挙げたか?」

爺さんは首を横に傾げて言う。

爺さん「ワシは知らんのう、鏡の分子を奈落の旦那に貸すからあんずをしばらく気分転換に、見ればどうじゃ?」

爺さんはそう言って鏡の中に入り込み、あんずと何かを話していた。

(何を話し? あんずは俺がいなくなって何でそこを掃除してる?)

あんずは爺さんと笑顔で話をしているのが、俺は気になって償いの仕事を上手く出来ずにいた。
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