第1章 見守る -牛島若利-
牛島 side
音羽から言われたことは実は聞き取れていた
入学式の初日、学校に向かう途中で白鳥沢の制服を着た女が学校から遠ざかる方へ足を進めているのを見て、思わず声をかけた
それからクラスが同じになり、部活まで同じになったのだが、彼女の懸命な姿には惹かれるものがあった
授業中、眠たくなりながらも先生の話を聞き逃さんとばかりにメモを摂る姿
部活中、俺たちが休んでいる間も次の練習メニューのために準備を進め、練習が再開するとドリンクを作ったり洗濯をしたりボール拾いをしたり試合を記録したりと忙しくも楽しそうに頑張る姿
だから、その気持ちに応えたいという思いはある
それでも