第1章 見守る -牛島若利-
音羽 side
『もうすぐで花火上がるみたいだね』
牛島「あぁ」
『どの辺で見る?』
牛島「それなら、いい場所を知っている」
『そうなの?』
牛島「あぁ、俺は人が多すぎるところにずっといるのはあまり得意ではないから、穴場に行く」
『え…人混み苦手だったの?じゃあ今日無理させたかな…』
牛島「いや、音羽と回っていたら、あまり気にならなかったから、問題ない」
『え…』
それって、楽しかったってことでいいのかな…
牛島「…ここだ」
『へぇ~確かに人は全然いないけど』
牛島「あそこのベンチに座ってみるのがいいんだ」
『そうなんだ、じゃあ行こ!』
牛島「あぁ」
私はこの夏祭りで若利への告白を考えていた
もちろん覚に提案されたからなのだが…
ずっとタイミングがなくて、今しかないなって思って覚悟を決めた
『あのさ、若利くん』
牛島「どうした」
『あのね、私、入学式の前に助けてもらった時から、若利くんのことが…』
ヒュ〜
『…好きなの』
パーン
牛島「悪い、最後が聞こえなかった」
『えっ…』