第2章 航海士ナミ
「生きてちゃ悪いか」
「だって家一軒、貫通する程ぶっ飛ばされてピンピンしてるのって変よ!!」
「変でいいよ」
「しかしお前らこの町へ来た目的はなんじゃ!!なぜ、あんな海賊と関わる!!」
「目的ならさっき決めた!
グランドラインの海図と航海士を得ることだ!」
ルフィは断言した。
きっかけは彼が鳥に咥えられたことから始まったものの、ここまで関わった以上、最後まで付き合うしかない。
ゾロに関してはやられっぱなしだ。
彼のプライドが許さないだろう。
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一方その頃。
ペットフード店前では…
「ワンワン!!」
「何なんだこの犬は……
俺達を店に入れない気なのか?」
「ワンワン!ワン!!」
「まさかこんなちっぽけな店の番犬ってわけじゃねェよなァ……」
「ガルルルル…」
シュシュだけが残されたペットフード店前に近寄るモージとリッチーに怯えることなく、威嚇をして入店を拒むシュシュ。
自分の数倍もあるリッチーにさえ、怯えることなく。
攻撃されてしまえば一撃で倒れてしまうだろう。
体格差がありすぎる。
「ガウッ!」
「…っ…!キャン!」
チョン、とリッチーは前足でうざったそうにシュシュへ攻撃する。
刃物のように尖った爪を光らせて。
また新しい傷が出来てしまった。
シュシュを退けて店内へ入ろうとするリッチー。
血を流したまま、リッチーのその太い前足にシュシュは力を振り絞って噛み付いた。
当然、血が流れる。
ルフィとララの知らない間にシュシュとモージの死闘が繰り広げられた。
彼等はまだ知らない。
「俺、ちょっとゾロん所に行って来る。
あの着ぐるみ男、ゾロを探してたみてェだから」
「シャルがいるから大丈夫だとは思うけどね」
「でも行ってくる!」
「私も」
「バカをよせ!今度こそライオンに食われるぞ」
「大丈夫だよ、町長さん」
「ああ、俺らは強いからね」
所変わってルフィとララはゾロの元へ様子を見に行こうとしていた。
しかしブードルはそれを引き止める。
彼等の身を案じて。
だが、二人の足は止まらない。
スタスタ、とブードルとナミをその場に残してゾロの元へと急いだ。
ゾロが休養しているブードルの家の近くの通りを通りかかったその時。