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風神の神子  【原作沿い マルコ夢】

第2章 航海士ナミ


「無謀は承知!!」
「!」

ブードルは振り向いて、目に涙を溜めながら言った。

その表情はナミにしか見えない。

彼女の動きが一瞬、止まる。

その隙をブードルは見逃さない。

「待っておれ!!
道化のバギーっ!!」

だだだだだ、とブードルはその場を走って去っていく。

もうナミには止められなかった。

「町長さん……泣いてた……!」
「そうか?俺には見えなかった」
「なんだか盛り上がってきてるみてェだな!」
「しししし!そうなんだ」
「笑ってる場合かっ!!」
「大丈夫!俺はあのおっさん好きだ!
絶対死なせない!!」
「……そうだね。
ゾロ、怪我大丈夫?傷まない?」
「ああ、治った」
「そんなわけないでしょ!バカ!」
「…っ…てェ!!」

寝て治るならこの世に医者はいらない。

一時的に痛みが引いているだけだ。

ララはそんなゾロの頭に拳で一撃を喰らわした。

当然、彼は傷みに堪える。

「なにすんだ、てめェ!!」
「なっはっはっはっ!
お前ら仲良くなったなァ!」

ルフィは二人の兄弟喧嘩のようなやりとりに声をあげて笑った。

側からみれば仲良さそうに見える。

喧嘩するほど仲がいい、というやつだ。

本人達はそんなつもり一切ないのだが。

「あきれた… こんな状況で笑ってるなんて。呑気すぎるわよ」
「そうか?まあ、いいじゃねェか。
俺たちはこれからグランドラインの海図をもう一度奪いに行く!

——仲間になってくれ!
海図、いるんだろ?宝も」
「………!」

ルフィはナミに手を差し伸べた。

彼女はすぐにその手をとらなかった。

海賊というのが引っかかるのだろう。

「海賊にはならないわ!
〝手を組む〟って言ってくれる?お互いの目的のために!」

ナミはルフィの手をぱんっ、と弾いた。

お互い目的は一緒なのだ。

一緒に行動した方が安全に進められる。

そう判断したのだろう。

彼等は強い。

金になる、と。


こうしてナミは一時的ではあるが、ルフィの仲間になる。

航海士として彼等を導く。

賑やかな航海になりそうだ。

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