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風神の神子  【原作沿い マルコ夢】

第2章 航海士ナミ


「やかましいわ!!
てめェら……俺の怖さを知らないらしいな」

モージはララとルフィの発言に怒りを堪えていた。

ララはモージを乗せているライオンのようなそれをぼんやり、と眺める。

これだけ大きければルフィの檻も壊せそうだな、と考えていた。

上手いこと挑発できればの話だが。

「言っとくが、この世に俺に操れない動物はいないんだぜ。
例えばそこにいる犬にしてもだ。

——お手」

モージはシュシュを指差した。

そして、地面に降り立ってその犬に手のひらを差し出す。

頭のいい犬ならば、何をすべきかすぐ理解できるだろう。

しかし、明らかに敵意剥き出しのモージにシュシュが懐くことはなかった。

カブリ、とモージの手のひらを噛んだ。

「ああぁっ…!」
「全然懐いてないじゃん。
——シュシュ、お手」
「ワン!」

ララがモージと同じように、シュシュに手のひらを差し出すと素直に片足を彼女の手に置いた。

誰が敵なのか理解出来ているようだ。

ブードルの言った通り、賢い犬だった。

「ララの方が懐いてんじゃねぇか」
「ぐっ…!
まあいい…犬は所詮、犬だ、

名もねェコソ泥に俺は興味ねェ。ロロノア・ゾロの居場所を言え」
「いやだ」

やはりララの予測は当たっていた。

狙いはゾロだ。

シャルを彼の元にやったのは正解だったかもしれない。

「やれ!!リッチー!!」
「ガルルルル…」
「!」

モージの指示に従い、野獣もといリッチーはルフィの檻にかじりついた。

バキバキ、とリッチーは檻を噛み砕く。

ようやくルフィが檻から解放された瞬間だった。

「やった!檻が開いた!!」
「ナイス!」

ルフィはリッチーの攻撃を器用に避ける。

傷一つついていない。

ララは無邪気に喜んで、ルフィに駆け寄った。

その時。

リッチーの前足がルフィを攻撃し、彼の身体が吹っ飛んでしまう。

ララも巻き込まれて。

咄嗟のことで反応しきれなかったようだ。


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