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風神の神子  【原作沿い マルコ夢】

第2章 航海士ナミ


「え!?
な…何、この雄叫び…!」
「こ…こりゃ、あいつじゃ!!〝猛獣使いのモージ〟じゃ!!

逃げろォ———!!」
「え……
ちょっ…」

ナミとブードルはそそくさ、とルフィとララをほっぽって逃げ出した。

ララの制止も聞かずに。

気づいた時には遥か遠くへ逃げていた。

逃げ足の早い二人だ。

「………行っちゃった」
「あーあ…なんか来ちまったよ。
鍵返せよ、お前ェ」
「ガウ」

逃げようにもルフィは檻の中にいるので逃げられない。

船長を一人残すわけにいかず、ララもその場に留まる。

何かが迫ってくる音がどんどん近づいてきているが、シュシュは店の前から動かない。

強い意志を感じる。

「見つけたぜェ、まずは二人…。
俺はバギー一味、猛獣使いのモージだ」

そこへララとルフィの前に一人の男とシャルより一回り大きい、ライオンのような風貌をした野獣が現れた。

野獣の背に乗ってその男は檻に入るルフィを見下ろす。

「シャル…一応、ゾロとこに行っといて。
念の為ね」
「……わかった」

海賊達の狙いはゾロだ。

〝海賊狩りのゾロ〟として名高い彼の首を狩れば箔がつく。

バギー海賊団の名も上がるだろう。

怪我をしてなければゾロの心配などしないのだが、今は怪我人だ。

まだ傷も塞がっていない。

可能ならば彼には安静にしてもらいたい、というのがララの本音だ。

シャルを側にやることでゾロの負担が減ればいいのだが。

「バギー船長はかなりお怒りだぜェ…。
えらい事しちまったなァ、お前ら」
「なんだ、お前。変な着ぐるみ被って…」

モジーという男は頭に白いもふもふとした被り物を被ったような見た目をしていた。

頭のてっぺんには熊のような、小さな耳が二つ。

聴覚として機能はしていないようだが。

どうなっているのだろう、とララは不思議そうにぬいぐるみのような小さなその耳を疑視した。

「失敬だぞ、貴様ァ!!
これは俺の髪の毛だ!!」
「え…地毛なの…?」
「なおさら変だ。
変態か」
「うん、変態だ」

モージは自分のその珍妙な頭を地毛だという。

ルフィとララは冷めた目で彼を見る。


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