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風神の神子  【原作沿い マルコ夢】

第1章 海賊狩りのゾロ


「行けよ、コビー!」
「で…でも…まだその…心の準備が…!!
さっきの一件もありますし…」

さっきの一件とはレストランでモーガン大佐という名に反応して怯えていた島民の様子を言っているのだろう。

これから海軍に入隊する身としては上司がどういう人間であるかは大事だ。

海兵の皆んなが皆んな善良とは限らない。

極悪非道な海兵だっている。

コビーはそれを心配しているのだろう。

そんな気弱な彼の心配をよそにルフィは臆することなく、海軍の塀をよじ登った。

そして中の様子を覗く。

「あ、ルフィさん!!」
「魔獣はどこかなァ」
「覗いて見えるような所にはいませんよ。きっとどこかの独房とか…」
「いや!なんかいるぞ、向こうに!
ゾロって奴かも!」
「え……!!
………!!」

おもちゃを与えられた子供のようにウキウキした様子でルフィは奥の塀へ向かった。

対照的にコビーはゴクリ、と生唾を飲み込む。

「ほら、あいつ」
「………」

ルフィは奥の塀によじ登り、目の前に映る人物を顎で指した。

そろりそろり、と怯えながらコビーは彼に倣って塀によじ登る。

その人物を瞳に映した瞬間、大きく目を見開いて腰を抜かす。

地面に尻餅をついて怯えている。

「どうした?」
「く…く…黒い手拭いに腹巻き!!!
ほ…本物だ!本物のロロノア・ゾロです!!なんて迫力なんだろう…!あれがゾロ…!」

フェンスに囲われた空き地のような場所に木材の十字架が鎮座しており、その十字架に男が縄で括り付けられている。

黒い手拭いを頭に巻き、緑の腹巻きに金の三連ピアスを身につけている筋肉質な男、ロロノア・ゾロ。

これが噂の海賊狩りのゾロだ。

目つきが悪く、威圧感がある。

気弱なコビーはその威圧感に腰を抜かしてしまったのだろう。


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