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風神の神子  【原作沿い マルコ夢】

第1章 海賊狩りのゾロ


「ご、ごめんなさい…」
「大丈夫?」

ララは女の子に目線を合わせ、手を差し伸べた。

小さな手が彼女と重なり合う。

ララの手を借りて女の子は立ち上がった。

「ありがとう、お姉ちゃん!」
「怪我してない?」
「うん!大丈夫!」
「気をつけてね」
「…お姉ちゃん、島の外からきたの?」
「うん。もう出るけどね。
お名前は?」
「リカ!」
「リカちゃん、一人?」
「うん!お兄ちゃんのとこ行くの!」
「お兄ちゃん?」
「うん。わたしのせいでお兄ちゃん捕まっちゃったから…おにぎり作ったの」
「そう……喜んでくれるといいね」
「うん!じゃあね、お姉ちゃん!」

大事そうにおにぎりの入った包み紙を抱えて、リカと名乗る少女はララの前を立ち去った。

笑顔で彼女に手を振りながら。

リカの言うお兄ちゃん、というのは恐らく海賊狩りのゾロのことだろう。

一人で大丈夫だろうか、とララは心配そうにその背中を見送った。

「大丈夫かな…?あの子…」
「心配か…?」
「うん…。
ちょっとだけ見に行っていい…?」
「仕方ないな…」
「ありがと、シャル」

会ったばかりの幼い少女の身を案ずるララ。

危険な目に遭わなければいいが、と。

噂によれば海賊狩りのゾロは野蛮な人間と聞く。

磔にされているとはいえ、心配だ。

ララはリカの向かった海軍基地へ足を急がせた。


**** 

海軍基地。

「……!!」
「近くで見るとゴッツイなー」

その頃海軍基地ではルフィとコビーがその威圧感に圧倒されていた。

〝海軍〟と大きく書かれた塀の奥に二つの高く聳え立つ塔。

その奥に海兵達の住宅と思われる建物がいくつも立ち並んでいた。

それなりの規模があるようだ。

ここに海賊狩りのゾロが捕らわれている。

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