第2章 航海士ナミ
「——プロテクト」
「ララ!!」
「大丈夫、私には絶対攻撃出来ないから」
ララはゾロの前に立ちはだかり、ドーム型の薄いヴェールのようなものを二人の周りに覆った。
ゆらり、と斬られた状態のままのバギーが起き上がる。
ゾロの背後に気配を感じた。
「女……妙な技をつかうようだな」
「あんたもね!」
「バラバラの実……。
それが俺の食った悪魔の実の名だ!!
俺は斬っても斬れない、バラバラ人間なのさ!」
そう言って、バギーの身体は完全に一つになって二人の目の前に立つ。
ゾロやルフィ、ナミが目を見開くなかララは責任を感じていた。
自分がバギーを怒らせるような発言をしなければ、と。
どうにかしてゾロを逃す方法はないか思案していた。
「!!……体がくっついた…。
悪魔の実なんてただの噂だと思ってた!!」
「……!!」
「バラバラ人間ってあいつ、バケモンかっ!!」
「急所は外しちまったが…ロロノア・ゾロ!!女に守られるたぁ、みっともねェなァ!!」
「くっ…!」
「相当の深手だろ、勝負あったな!!」
「聞いて、ゾロ…」
「…あ?」
「なんとかしてルフィと逃げて」
「……てめェはどうする?」
「大丈夫。あいつの相手くらい余裕」
ララはバギーに聞こえないような小さな声でゾロに逃げるように言った。
プライドの高い彼が素直にそれを聞いてくれるかは半々の賭けだったが。
深手を負っているゾロがここにいてもただの足手纏いにしかならない。