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風神の神子  【原作沿い マルコ夢】

第2章 航海士ナミ


「……いい女だ。どうだ、俺の女にならねェか」
「いや。
私、弱い男は嫌いなの」
(…やっぱり気のせいだ。見た事ないもん)
「なっ……このアマっ……!」

ララがバギーを見ていたのは、彼の鼻がピエロのような赤い鼻をしているからとかそういうわけではなかった。

聞き覚えがあるバギーという男の顔に見覚えがないか、と見ていただけだ。

どうやらこの男とララは会ったことはないようだ。

彼女の熱い視線になにを勘違いしたのかバギーは自分の女にならないか、と誘ってきた。

だが、ララは靡かない。

子供のようにプイッとそっぽをむく。

バギーを弱い、と言い捨てて。

「あ…あの女…バギー船長になんてことを……!!」
「いい度胸してるじゃねェか、女!!
俺が弱ェかどうか、てめェで確かめてみろ!!」

仮にも海賊船の船長だ。

弱いということはないはずだが、ララの強いの基準が高すぎた。

彼女の中で強い男というのは白ひげ海賊団の隊長格が基準だ。

イーストブルーにそんな強い男はいるわけがない。

バギーは弱いとララに言われ、頭にきたのだろう。

短剣を何本も手に握って、彼女に斬りかかる。

肩をすくめてララは風剣をとりだそうとした。

しかし…。


——ガキン——

剣と剣がぶつかり合う音がした。

「女相手になに、マジになってんだよ」
「ゾロ!?」
「ロロノア…っ…!」

ララをバギーの攻撃から守ったのはゾロだった。

三刀流の状態で剣を交える。

ゾロが手を出さずとも、彼女一人の手でも相手できた。

それは彼も充分わかっているはずだ。

だけど助けた。

ララにはそれが理解できないというように、大きく目を見開く。

「まあ、てめェでもいい…
貴様を殺せば俺の名が上がる」
「やめとけ。死ぬぜ」
「うおぉぉ!やっちまえ、船長!!
ゾロを斬りキザめェ!!」
「本気で来ねェと血ィ見るぞ!!」
「……!
そっちがその気なら……!!」

標的がゾロに変わったことにバギーは一瞬、不快そうに表情を歪める。

しかし、彼の首をとればバギーの名は上がるだろう。

敵意は完全にゾロに向いていた。

戦う気はなかったが、仕方なしに彼は刀を向ける。

ズバッとあっけなくバギーは斬られてしまう。

拍子抜けするほどに。



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