第2章 航海士ナミ
「——っていうわけなんですよ!!」
「ヒドイでしょ!?」
一部始終を話してくれた男達はゾロとララに共感を求めた。
その間も船はゆっくりと島へ進んでいく。
「天候まで操るのか…海を知り尽くしてるな、その女。
航海士になってくれねェかな」
「女の子かぁ〜…仲良くなれるかな?」
話を聞いたゾロとララは彼等に共感するどころか、ナミに興味が湧いていた。
自分達の仲間に欲しい、とさえ思っている。
呑気なララはもう仲間になることを想定してウキウキ、と心が弾んでいた。
男ばかりの環境で育った彼女には女友達というものがいない。
だから憧れがある。
まだ出会ってすらいないので気が早すぎるが。
「あいつは絶対探し出してぶっ殺す!!!」
「それよりまず宝をどうする」
「そうだぜ!このまま帰っちゃ、バギー船長に……!!」
「そのバギーってのは誰なんだ…?」
(どっかで聞いたことあるんだけどなぁ……むぅ…思い出せない)
ララは彼等の話すバギーという名に聞き覚えがあった。
風の噂で聞いたことがあるとかそういう話ではなく、人づてにその名を耳にした記憶がある。
だがそれが誰なのか、どこで聞いたのかが思い出せない。
彼女はモヤモヤした気持ちを残しながら、男達の話に耳を傾ける。
「俺達の海賊船の頭ですよ。〝道化のバギー〟をしらねェんで?
〝悪魔の実シリーズ〟のある実を食った男でね、恐ろしい人なんだ!!」
「……悪魔の実を…?」
「とりあえず、君達の頭がいる島に連れてってくれる?
もしかしたらルフィ、いるかもしれないし」
「そうだな…」
闇雲に探すよりは、バギーのいる拠点の島に向かった方がいい。
まずは情報を集めなくては。
運が良ければ、その島にルフィがいるかもしれない。
ゾロとララはバギー海賊団の手下三人達に船を漕がせたまま、彼等が拠点にしている島へ向かった。
我が船長、ルフィを探し求めて。