第1章 海賊狩りのゾロ
リカ宅。
「はァ…食った!
流石に九日も食わねェと極限だった!!」
「じゃあ、どうせ一カ月は無理だったんだな!」
「なんでおめェは俺より食が進んでんだよ」
「ルフィ、これも食べていいよ」
「おう!サンキュー」
あれからリカに家へ招待された四人。
リカの母親が振る舞ってくれた料理をたらふく食べた。
ゾロは頭に巻いていた黒い手拭いをとり、緑色の短髪が姿を現す。
彼は満足げ笑みを浮かべ、腹をさする。
ようやく空腹を満たされたようで満足げだ。
何故か絶食していたゾロよりも大量に積み上げられたルフィの皿。
異常なまでの食欲だ。
ララはその姿が彼の兄そっくりで自分の分の料理もルフィに差し出した。
遠慮を知らない彼はそれをまた綺麗に平らげる。
「すいません…なんか僕までご馳走に…」
「いいのよ!町が救われたんですもの」
「やっぱり、お兄ちゃんとお姉ちゃん凄かったのね!」
「ああ。凄いんだ。
もっと凄くなるぞ、おれは」
「それで?
ここからどこへ向かうつもりだ?」
「グランドラインに向かおう」
「!!!??」
ルフィはそう宣言した。
この世の海にはイーストブルー、ノースブルー、サウスブルー、ウエストブルー、と四つの海域が存在する。
ルフィ達が今いるのはイーストブルー。
最弱の海とも呼ばれている。
そしてそのさらに先にあるのがグランドライン、偉大なる航路。
別名、海賊の墓場ともいわれている。
海賊王ゴールド・ロジャーが残した宝、ワンピースを探し求めて世界中の海賊たちがそこに集まる。
「んまっ!!
また無茶苦茶な!!まだ三人なのにグランドラインに入るなんて!!死に行くようなもんです!!
わかってるんですか!?あの場所は世界中から最も屈強な海賊達が集まって来てるんです!!」
「まァ、どの道ワンピースを目指すからにはその航路を辿るしかねェんだ…。
いいだろう」
「大丈夫、君たちならなんとかなるよ」
ララは他人事のように言った。
彼女は未だルフィの仲間になるつもりはない。
この町を出たらまたシャルとの二人旅に戻るつもりだった。
本心では一緒に旅をしたい気持ちはあるのだが、自分が彼等といることで色々と迷惑がかかる。
それを心配していた。