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風神の神子  【原作沿い マルコ夢】

第1章 海賊狩りのゾロ


「つ…強すぎる…!!」
「モ…モーガン大佐が一方的に…!!」
「なにが海軍だ!
コビーの夢をぶち壊しやがって…!!」
「………」

今までの話から察するにコビーは海兵になりたかったのだろう。

だが、この町の海兵たちを見て絶望したに違いない。

全ての海兵が正義を胸に刻んでいるわけではない、と。

守るべき存在であるはずの市民の生活を脅かす海兵がいるなど想像もしていなかっただろう。

ルフィはそんなコビーの気持ちを察して、モーガン大佐の身体の上に馬乗りになって彼の胸ぐらを掴んだ。

そして拳を振り上げる。

「待てェ!!」

ルフィがモーガン大佐に殴りかかろうとしたその時。

ヘルメッポの止める声が聞こえた。

しかし彼は一瞬、止まっただけでそのままモーガン大佐を拳で殴った。

「待てつったろ!アホか、このォ!!
こいつの命が欲しけりゃ、動くんじゃねェ!!ちょっとでも動いたら撃つぞ…!!」
「ヘルメッポ様………!!」

どこからか現れたヘルメッポはピストルをコビーの頭に突きつけてルフィの動きを止めようとした。

相変わらず卑怯な男だ。

ゾロ、ララはいつでも動ける体勢になる。

コビーを助けられるように。

「ルフィさん!!ぼくは!ルフィさんの邪魔をしたくありません!!
死んでも!!」
「ああ…知ってるよ」

コビーは怯えた表情を一切見せなかった。

内心、怯えていたかもしれない。

しかしそれをルフィには見せなかった。

強い志を感じる。

「諦めろバカ息子。コビーの覚悟は本物だぞ!」
「おい、てめェ!!動くなつったろ!撃つぞ!!
よし、撃つ!!」

ルフィはヘルメッポに向かって殴りかかるモーションをかける。

背後の気配に気づかずに。

「ルフィさん、後ろ!!」
「ゴムゴムの…」
「俺は海軍大佐だ!!」

ルフィの背後に立つモーガン大佐。

あれだけ殴られてもまだ立ち上がる気力はまだあるようだ。

大きく腕を振りかざし、ルフィの頭上に影がさす。

「俺が行く」
「あ、そう?じゃ、よろしく」

動きだそうとしたララをゾロは止めた。

刀の柄を咥えながら。

ガチリ、と音がする。


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