第1章 海賊狩りのゾロ
「大佐!!アイツ、ゾロの縄を!!」
「解かせるな!!
銃がダメなら斬り殺せ!!」
「う…うおおぉぉぉ!!!」
海兵達はモーガン大佐の指示に恐怖心を抱きながらも、剣を構えてルフィ達の元へかけていく。
彼はそれに気づかず、呑気に固く縛られた縄に悪戦苦闘している。
ララはそれには加勢せず、今にも斬りかかって来る海兵達を迎え撃とうとしていた。
一対数十名。
一人の女性が勝てるはずはないのだが、彼女は余裕しゃくしゃくとしていた。
「くっそー、かてェなァこの結び目…」
「おい!グズグズするな!!」
「…んん……
…はっ…!…気を失ってたのか…」
徐々に迫り来る海兵達にゾロは焦る。
ララ一人では相手にできないと思っているのだろう。
そこでようやくルフィの悪魔の実の能力に驚いて気を失っていたコビーが目を覚ました。
むくり、と身体を起こす。
「うわっ!!えぇ!!?
ルフィさん達危ない!!」
「——風剣」
コビーが危機を案じている中、ララは静かに風剣を手に握る。
そして剣を構えてそのまま、海兵達の間を縫うように目にも止まらぬ速さで過ぎていく。
目視できる者はいない。
ララが構えをやめ、風剣をしまったその時。
ドタドタっと海兵は次々に血を垂れ流してその場に倒れてしまった。
「なっ…」
「つ…次だ!!斬りかかれ!!」
まだ海兵達はモーガン大佐の傍らに控えていた。
次の隊がまた斬りかかりにこちらへ向かってくる。
ララがまた風剣を手に握って戦闘体勢に入ろうとした。
「おっ!解けたよ、片方の手っ!」
「馬鹿野郎!!早く刀よこせ!!」
呑気に解けた縄を見せびらかすルフィ。
ゾロはブチ切れながら刀をよこせ、とせがむ。
まるでコントをしているようだ。
ララはこんな時に何をしているのだ、と呆れるしかない。
その間にも海兵は一歩、一歩ずつ近づいてくる。