第1章 海賊狩りのゾロ
「!」
「そこまでだ!!モーガン大佐の反逆につき、お前達三人を今ここで処刑する!!」
その時だった。
恐れていたことが起きた。
銃を構えた海兵達にいつの間にか囲まれてしまっていた。
ざっと見ただけでも数十人はいるだろう。
コビーは狼狽え、ゾロも目を見張る。
ただララは平然とした顔で海兵達を瞳に映す。
何か策があるのだろうか。
「基地を取り囲め!!あの麦わら小僧は逃がすんじゃねェぞ!!
面白ェことやってくれるじゃねぇか…てめェら四人でクーデターでも起こそうってのか」
(あれがモーガン大佐……?)
囲まれた海兵達に割り入って姿を現したのはモーガン大佐だった。
ルフィに何かされたのだろうか。
ブチ切れている様子。
「ロロノア・ゾロ…てめェの評判は聞いてたが、この俺を甘く見るなよ。貴様の強さなどこの俺の権力の前にはカス同然だ…!!
構えろ!!」
「!!」
「!!
(俺は…こんな所で死ぬ訳にはいかねェんだ!!俺にはやらなきゃいけねェ事があるんだ!!!
約束したんだ…!!くいな…!!)」
(…仕方ない)
「プロテク……ん…?」
今まで何もしようとしなかったララが動き出した。
何かを唱えようとしたその時。
遠くから声が聞こえた。
聞き覚えのある声が。
視線を上に向けるとルフィがこちらに飛んできている。
三本の刀を背中に背負って。
「え……」
ララは驚いて声を漏らす。
その間もルフィはこちらへと近づいてきて、銃が一斉に発砲されたその時。
彼は三人の前に立ちはだかる。
全ての銃弾はルフィの身体に命中した。
「ルフィさん!!」
「……お前っ!!」
「!!」
「麦わら……」
その場にいた者は驚き、目を見開く。
しかしルフィは倒れない。
血も流れない。
よく見ると銃弾の当たった皮膚はゴムのように伸びていた。
「効かーん!!!」
ルフィは身体を剃り返して撃ってきた銃弾を跳ね返した。
流石のララも目を見開いている。
コビーやゾロ、モーガン大佐も例外じゃない。
その場にいた者全員がルフィに注目した。