第1章 海賊狩りのゾロ
「ほんと!?」
「ああ!ひとつ残らずバリバリ食ってたよ」
リカ達と合流したルフィとララ。
ロロノア・ゾロが泥だらけになったおにぎりを綺麗に平らげてくれたことをルフィはリカに伝えた。
そして「うまかった。ごちそうさまでした」と伝えてくれ、と。
「うれしい!」
「よかったね、リカちゃん」
「うん!」
「あの人本当に噂通りの人なんでしょうか…」
「違うよ。だって…あのお兄ちゃんは何も悪いことしてないもの。町の皆んなは怖がってたけど。
捕まったのだって私を助けるために、モーガン大佐の息子が飼ってた狼を斬っちゃったからなの!
それまでは野放しで狼が町を歩き回って皆んなすごく困ってて…!!」
「じゃあゾロが捕まってた理由ってのは…アイツが飼い狼を斬ったってだけのことなのか」
「うん」
ルフィの問いかけにリカは頷いた。
この町の違和感のわけがララには少しわかった気がした。
モーガン大佐とその息子がこの町では権力者となっているのだろう。
町の人間はその親子に怯えている。
「そうか…!それもそうですよね。彼の気性の恐ろしさはさておき、賞金首を狙うことが罪になるわけありませんからね」
「悪いのはモーガン親子よ!!
少しでも逆らえばすぐ死刑でみんなびくびくしてるんだから」
「ひぇっひぇっひぇっ!!頭が高ェつってんだろ。親父に言うぞ!!」
「!」
そこへヘルメッポがまた海兵を引き連れて町に現れた。
住民たちは左右に道を開け、土下座をする。
異様な光景だ。
まるでどこかで見たようなその景色にララは表情を歪める。
「………」
「ロロノア・ゾロみてェに磔になりてェか!?三日後にはゾロの奴を公開処刑にする!
見せしめだ。楽しみに待ってろ!」
「一ヵ月生き延びたら逃すしてやるって…」
一ヵ月生き延びたら見逃してやる。
そういう約束だった筈だ。
ララは首を傾げる。