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風神の神子  【原作沿い マルコ夢】

第1章 海賊狩りのゾロ


「リカちゃん!大丈夫?
怪我してない?」
「お姉ちゃん…っ…おにぎりが…っ」
「辛かったね…」
「うぅ〜〜……」

リカはララの腕の中で泣きじゃくった。

初めて作った自分のおにぎりがぐしゃぐしゃになったのだ。

仕方ないだろう。

ララは優しく彼女の頭を撫でてあやしてやる。

昔、自分がされたように。

「なんて酷いやつなんだ…」
「………」
「しかししぶとく生きてやがるな、てめェは!」
「ああ…ちゃんと一ヵ月生き延びてやるさ。
約束は守れよ…!!」
「ひぇっひぇっひぇっ!あー、守る!
一ヵ月そのままで生きられたら、約束通り逃してやるよ!せいぜいやってみろ!!」

塀の外で泣きじゃくるリカを他所に、ヘルメッポは高笑いしながその場を去っていった。

海兵二人もその後に続く。

会話から察するに一ヵ月磔にされたまま生き延びたら解放してやる、と約束したのだろう。

その約束がゾロの生きる気力の糧になっているのかもしれない。

「!
なんだてめェ。まだいたのか」
「まァね」

そこへルフィがゾロの目の前に姿を現した。

縄を解くわけでもなく、ただ突っ立ているだけ。

「俺は今、一瞬に海賊になる仲間を探してるんだ」
「海賊だと?
ハン…!自分から悪党になり下がろうってのか。ご苦労なこって…」
「俺の意志だ!海賊になりたくてなにが悪い!」

ルフィは力強い眼差しで言った。

誰にも譲れない意志が感じられる。

ララはその塀越しにルフィの言葉を聞いていた。

リカをあやしながら。

(………思い出した。あの子、エースの弟だ)

エース。

白ひげ海賊団二番隊隊長、ポートガス・D・エースの名だ。

以前彼にルフィの名をよく聞かされたのを思い出したようだ。

手のかかる弟がいる、と。

嬉しいそうに話すエースの顔がララの脳裏に浮かんだ。


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